液体を流すパイプと同様に、3Dプリンターのホットエンドで溶融フィラメントが詰まることがあります。ここでは、3Dプリンターのタイプや品番に共通する主要な詰まりの原因を説明します。また、そもそも詰まりが形成されるのを防ぐ方法に関するヒントがあります。
一番わかりやすい詰まり現象は、フィラメントが挿入されているのに溶融フィラメントがノズルから出てこなくなるというものです。ただし、ホットエンドの部分的にしか詰っていないこともありますので注意が必要です。この部分的な詰まりが発生しているかどうかは、フィラメントのロード/アンロードは正常に行えるのでわかりにくいのですが、プリント中の積層状態から判断できます。 ノズル詰まりの初期には、溶融フィラメントがノズルから均一に押し出されていないとか、押し出された溶融フィラメントがカールしてノズルに付着するなどの兆候があります。
別の一般的な兆候としては、カチッという音またはエクストルーダーからのカチカチという音が出ていることです。 エクストルーダーから出るカチッという音は、ステッピングモーターの負荷が高くなったときにステップをスキップしてしまう「脱調」という現象が起きていることがほとんどです。この脱調とはステッピングモータに設定したしきい値よりも大きなトルクが必要になったときに、途中まで回転させるための力が解放されて1回以上のステップをスキップしてその場で跳ね返る現象です。機械的な問題、電気的な問題、ソフトウェアの問題、ホットエンドの詰まりなどが考えられ、またはこれらの要因のいずれかの組み合わせである可能性があります。
この問題に対処するには、主に3つの方法があります。 適切な方法を選択するに、まずはフィラメントをロード/アンロードできるかどうかを確認してください。 部分的な詰まりの場合は、溶融またはコールドプルすることができる事が多く、フィラメントのロードすらできないような厄介な詰まりの場合は、以下で説明する3番目の方法が必要になります。
これらの方法のいずれかを開始する前に、フィラメントをアンロードして、エクストルーダーから取り外します。作業を簡単にするために、フロントパネルで LCD Menu -> Settings -> Move axis -> Move Z-axisを選んで上方に移動させておきます。
フィラメントを問題なくロード/アンロードできるが、それでもプリント中に問題が発生する場合は、コールドプル (MK3/S/+, MK2.5/S, MK3.5/S)手法を使用してホットエンドの内部をクリーニングします。
フィラメントをロードできない場合は、まず、ノズル温度を上げて詰まったフィラメントを軟化させてから押し出してみます。この作業を行う前に、フロントパネルでフィラメントのオートロード機能をOFFにしておくことをお勧めします。 LCD Menu -> Settings -> F. autoload。
次に、PLAフィラメントをロードしようとすると、新たに挿入したフィラメントによって内部に残ったフィラメントをノズルから押し出してくれるはずです。
うまくいかなかった場合は、詰まっているのがどこなのかを正確に特定することが重要です。前に述べたように、詰まったホットエンドは詰まったノズルと同じではありません。フィラメントはノズルより上でも詰まる可能性があります。
エクストルーダーアイドラードアを開き、フィラメントの一部がPTFEチューブから突き出ていないかどうかを確認します。
フィラメントが白いテフロンチューブで詰まっている場合、エクストルーダーからホットエンドを取り出す必要があります。 分解するにはこのガイドを使ってください(ステップ2〜5)。ホットエンドが露出したまま、前にぶら下がる感じになります。パネルメニューでノズル温度を設定します: LCD Menu -> Settings -> Temperatures -> Nozzle (PLAを使用していた場合は260℃、PETGやABSを使用していた場合は280℃まで)。そして、ラジオペンチでフィラメントをつまみPTFEチューブから引き上げて、フィラメントを取り外すことができるかどうかを確認します。
場合によっては、PTFEチューブを取り外す必要があります。取り外すには 黒いストッパー をヒートシンク側に押すとチューブを押さえている爪が外れますので、ストッパーを押さえた状態でPTFEチューブを引き出します。
PTFEチューブが詰まりによって、またはそれを取り除く過程で傷が入ったり損傷している場合は、交換を考えた方が良いです。オンラインストアで新しいチューブを購入することができます (MK3S, MK2.5S) または (MK2/S, MK3, MK2.5) 。新しいPTFEチューブを挿入するときは、ストッパーで適切に固定されていることを再度確認してください。ストッパーを約1mm引き上げながら、PTFEチューブを押し下げる必要があります。 この作業により、ホットエンド内で PTFEチューブが移動できなくなり、遊びがなくなります。 PTFEチューブの固定がうまくいっていないと、詰まりを引き起こす原因になる場合があります。
PTFEチューブが空の場合、ノズルに破片が詰まっている可能性があります。 ヒーターブロックからノズルを外します(外し方については、このガイドを確認してください)。ノズルをきれいにするには機械的に行うか化学的に溶剤を使って行うかの二通りのやり方があります。
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